日本人にとって身近な飲み物である“日本茶”。
世界的な健康志向の高まりや、日本食ブーム、日本文化としての茶道人気、それらの追い風を受け、近年、“日本茶”の輸出が好調です。
しかし、いっぽう、生産現場に目を向けると、国内の日本茶消費量の減少、価格の低迷、就農人口の減少と生産者の高齢化、そんな背景のもと、多くの日本茶生産者が廃業の危機に瀕していることはあまり知られていません。
他の農作物と違い、収穫後に製造コストがかかり、しかも栽培や収穫の技術だけでなく、製造の技術とともに、相応の設備が必要となる“日本茶”。全国の農業就業人口が年々減少する中、日本茶の生産者数は、より早いスピードで減少しています。
三大産地である静岡県、鹿児島県、三重県をはじめ、北は岩手から南は沖縄まで、140以上の日本茶産地があると言われていますが、産地の大小に関わらず、日本茶産地は今、苦境に立たされています。
何も手を打たなければ、数年のうちに消滅してしまうであろう産地も数多くあります。
『いつでも飲めると思っていた日本茶がもう飲めなくなってしまう』
そんな未来は望みません。そうならないためには、
『日本人が“日本茶”のことをよく知ること、“日本茶”が日本人にとって大切な文化であることを認識することが重要なのではないか。』
そんな想いから、この“日本茶BANK”を立ち上げました。
“日本茶BANK”では、特に「地域」という切り口から、日本全国にある魅力的なお茶を紹介することで、『日本茶と一緒に、日本茶が生産されている地域そのものを知っていただき、ファンになっていただくこと。このことにより各地域の日本茶生産の継続に繋げる事』を目標としています。
日本茶はあらゆる農作物の中でも特に、各地域の「テロワール(地域に根ざすもの、地域のあらゆる特性)」を持った食材です。地域の日本茶がなくなることは、地域に受け継がれて来た大切な文化の一つがなくなることを意味します。
このサイトを通じて、全国、津々浦々の日本茶情報を発信するとともに、皆さんと一緒に日本茶の未来について考え続けていきたいと思います。