全ての「お茶」は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹である「チャノキ(チャの木)」から生まれます。
加工方法の違いによって、緑茶・烏龍茶・紅茶など、何種類もの「お茶」ができます。
白い産毛のある新芽を採取し、晒して微発酵を促した後(発酵度10%)、自然乾燥させてつくる茶。中国福建省で多く生産されている。
蒸す・炒めるなどの「殺生(さっせい)工程」と、茶葉を揉む「揉捻(じゅうねん)工程」がないため、そのまま残った産毛で茶葉全体が白く見えることから「白茶」と呼ばれている。
わずかに発酵させた生葉を釜炒りして作る半発酵茶で、中国・台湾が主な産地。烏龍茶に分類されることもある。烏龍茶より発酵の程度が軽いため(15%程度)、渋みが少なく爽やかな味わいが特徴。
発酵させた生葉を釜炒りして作る半発酵茶で、中国・台湾が主な産地。中国茶の分類上は「青茶(あおちゃ)」に属し、緑茶と紅茶の中間に位置する。一口に烏龍茶と言っても、産地、発酵や焙煎の程度等により、とても多くの種類がある。
生葉を完全に発酵させ、急速に乾燥させて作る茶。淹れたときの、香りの高さと、濃い橙色が特徴。インド・スリランカ・アフリカが主産地で、インドの「ダージリン」、スリランカの「ウバ」、中国の「祁門(キーモン)」が世界三大紅茶と呼ばれている。
生葉を蒸して揉んで一旦完成させた緑茶の茶葉に、微生物を付け発酵させて作る後発酵茶。茶葉が黒褐色なので黒茶と呼ばれる。長期保存がきくことが最大の特徴で、熟成が進むにつれて香りが変化するため、年代物には高い価値がつくこともある。普洱茶(ぷーあーるちゃ)も、この黒茶に属する。
製茶の最初の工程である「殺青(さっせい)」という、酸化を止める過程において、鉄釜で炒ってつくられる茶で、一般的に「釜炒り茶」と呼ばれる。蒸し製玉緑茶同様、精揉(せいじゅう)工程がないため、茶葉が勾玉状であること、「釜香(かまか)」と呼ばれる独特の香り、爽やかな味わい、黄金の水色(すいしょく)が特徴。
寒冷紗(かんれいしゃ)等で覆いをして育てた生葉を、玉緑茶と同様の釜炒り製法で製茶したもの。釜炒り茶のさわやかな味わいとともに、かぶせ茶特有の凝縮された旨味と甘みがあるのが特徴。
一般的には、摘み残した新芽や一番茶以降の生葉を、玉緑茶と同様の釜炒り製法で製茶したものを番茶という。
釜炒り製玉緑茶などを強火でさらに炒って作った茶。香ばしい香りが特徴。高熱で焙じることによりカフェインが昇華し少なくなる。
水に浸して蒸した米を炒り、玉緑茶などに混ぜた、炒り米の香ばしさが特徴のお茶。米を入れるため番茶や煎茶の使用量が少なくなり、低カフェインであることも特徴。
茶葉を粉砕し、微粉末にしたもの。そのまま飲用する他、加工食品の材料としても使用される。
日本で最もよく飲まれているお茶。
新芽を蒸して揉みながら乾燥させたもの。
普通煎茶より生葉の蒸し時間を2〜3倍長くしたもの。蒸し時間の長さにより茶葉が細かく砕けているため、色や味がよく出る。
一番茶の新芽が伸び出した頃より20日程、よしず等で茶園を覆い、直射日光を遮った状態で育てた生葉を、普通煎茶と同様の方法で製茶したもの。旨味が強く、高級茶として知られる。
一番茶の新芽を摘む7日程前から、寒冷紗(かんれいしゃ)等で覆いをして育てた生葉を普通煎茶と同様の方法で製茶したもの。玉露に次ぐ高級茶。
普通煎茶の製茶工程のうち、葉の形状を整える工程(精揉 せいじゅう)を省略して作った茶。勾玉のような形状で、ぐり茶とも呼ばれている。
碾茶(てんちゃ)を茶臼で挽き1〜20μmの微粉末にしたもの。茶道の他、菓子等にも使用される。
一般的には、摘み残して固くなった新芽や茎を利用して、普通煎茶と同様の方法で製茶したものを「番茶」と呼ぶが、茶産地によって様々な「番茶」の定義がある。
番茶や煎茶などを強火で炒って作った茶。香ばしい香りが特徴。高熱で焙じることによりカフェインが昇華し少なくなる。
水に浸して蒸した米を炒り、番茶や煎茶に混ぜた、炒り米の香ばしさが特徴のお茶。米を入れるため番茶や煎茶の使用量が少なくなり、低カフェインであることも特徴。
茶葉を粉砕し、微粉末にしたもの。そのまま飲用する他、加工食品の材料としても使用される。
煎茶等の仕上げ工程で選別した、新芽の茎や葉柄(ようへい)で作った茶。玉露や高級な煎茶の茎は、「雁ヶ音(かりがね)」と呼ばれ珍重されている他、赤褐色の太い茎を使用したものは地域により「棒茶(ぼうちゃ)」と呼ばれる。
煎茶等の製茶工程で出る粉末化した茶を、ふるいで選別し、最も細かい粉だけを集めたお茶。粉末茶と似ているが、意図的に粉末状にしたもの→粉末茶、製造工程の中で発生したもの→粉茶、という違いがある。
玉露と同様、よしず等で覆いをし、直射日光を避けて栽培した新芽を、蒸したあと揉まずにそのままに乾燥し、茎や葉脈を取り除いたもの。これを茶臼で挽くと抹茶になる。