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日本茶BANKが紹介するお茶の事

2022.05.30 Update

番匠川の恵みと河童@因尾茶(大分県佐伯市)小野農園 さん

#いちょう葉 #因尾茶 #国産紅茶 #大分県 #釜炒り茶

因尾茶(いんびちゃ)とは?

 大分県佐伯市。大分県最南部、すぐそこが宮崎県です。 その佐伯市の山間部に位置する本匠地域で生産される茶葉を使って作った釜炒り茶。
 「因尾茶」いんびちゃ、と呼ばれています。

 その昔、佐伯藩の殿様が長崎から種をもらい、生産が始まった因尾茶。
 当時は、殿様直々に因尾茶の生産を応援してくれていたそうです。九州でお茶と言うと、おそらくどこも長崎から伝わっています。

 1191年、中国より茶の実を携えて、臨済宗の教えと共に帰国した栄西禅師。
 その当時の出島は長崎県の平戸であった為、そこに日本初の茶園を作っています。 江戸時代の中期、毛利藩主(大分県佐伯市)の殿様が、長崎県の出島に出向いた際、中国から入ってきた釜炒り製のお茶の話を聞き、種を買って帰り、因尾地域の気象・風土の条件が茶栽培に合っていたことから、当時焼畑農業をしていた農民に植えさせたのが始まりといわれてます。

因尾茶を育む“番匠川”

 小野農園さんの畑は、とても気持ち良い場所。
大分県の一級河川である「番匠川」に流れている水はそのまま飲むことができるほど美しく、その水が育んだお茶という事になります。

 大分県、実は、平野が少なく、山々が連なる山間地ばかり。その為、大きな河川も多く、上流に行けば川魚も元気に泳いでいます。
 「ヤマメ」「ハヤ」「ワカサギ」「鮎」「うなぎ」「川ガニ」などが捕れるそう。
 また、ここには多くの河童伝説も・・・

 地域内に多くかかる橋のたもとには、必ずかわいい河童が鎮座しています。

因尾茶の生産現場に訪問

 この本匠地域のお茶生産を一挙に担っているのは小野農園さん 。
 因尾茶加工場で、地域全体で生産されるお茶を製茶する責任者です。

 小野さんは、新しい種類のお茶を作るのも得意で、中でも一番人気は「いちょう葉紅茶」。
 自園のいちょう葉 を紅茶と一緒に萎凋させる特殊製法。
 いちょう葉は通常サプリメントになっていたり。 記憶力に作用するそう。高齢化する日本では人気になって当たり前なのかもしれません。

 地域に根付き、十分な恵みを頂き、ここに暮らす。
 幸せな姿です。
 

 そしてそして、小野さんはとても愉快。
大分県には昔話の主人公で「吉四六(きっちょむ)さん」という有名な「とんち王」が。
この吉四六さんのとんち話は、大分県の小学校では必ず子供達に教える物語。そのとんちが小野さんに伝染しているかの様です。

 小野農園さんのお茶は、釜炒り茶と紅茶。
 釜炒り茶は、やぶきたがメイン(↓画像右)。
 紅茶は、「オリジナルブレンド」(↓画像中央) と「いちょう葉紅茶」(↓画像左)。

 「いちょう葉紅茶」は当社が商品開発で入って完成させた商品です。
 毎年売り切れるぐらい人気で、今では小野農園さんの主力商品に育ちました。嬉しい限りです。

 いちょうの葉には、記憶をつかさどる成分が含まれており、昨今「gingko」と書いたサプリメントを多く目にします。
 ※gingkoは銀杏の英語名です

 この頃は、難しい半発酵茶(烏龍茶のこと)も作り始めたそう。
紅茶は数年寝かして熟成させたものもあります。

 新しいお茶作りにも挑戦しているエネルギッシュな小野さん。
 この本匠という地域、茶栽培に適した、のどかで日本の原風景が残る素敵な地域です。
 現在、ここでのお茶文化の継続の為に、お茶事業を継いでくれる人を探しています。

 どの地域も今は「後継者問題」に直面していますね。
 小野さんにはずっと長く元気にお茶作りを続けて頂きたいです。可愛い奥様と一緒に(*^^*)

小野農園の基礎情報

◆銘柄:因尾茶(大分県佐伯市)
◆生産者名:小野農園
◆住所:大分県佐伯市本匠大字堂ノ間791-1
◆HP:https://ononoen.com/