朝宮茶の誕生は、1200年前。805年最澄(天台宗・開祖)が留学先の中国より茶の種を持ち帰り、朝宮の宮尻の地に植えたことに発します。
産地は京都府と滋賀県との県境、標高400~600mほどの、昼夜の気温差が激しく、霧が多い山間地です。
朝宮茶の茶園がある山間地特有の気候と風土、そしてこの地の肥沃な土壌は、お茶栽培に適しており、献上茶として名を馳せるなど、古くからお茶の産地として知られてきました。
日本五大銘茶にも数えられ、現在も品評会で受賞を重ねる、日本有数の銘茶の産地です。
丹念に摘みとられ、伝統的な製法で丁寧に製茶された茶葉は、香りが良い、スッキリとしたうま味がある、煎がきく、などの特長を持っています。特に、茶葉自身から立ち上る独特の香気は、まさに緑茶の最高峰と呼ぶにふさわしい逸品です。
朝宮茶について、お茶の業界の人に尋ねると「日本一値段の高いお茶ですね!」と言われる程、高級茶として知られています。
※日本五大銘茶とは・・・
朝宮(滋賀)、宇治(京都)、川根(静岡)、本山(静岡)、狭山(埼玉)
日本茶BANKショップの記念すべき第一弾の商品となる「お茶と急須」・・・どの産地にしようか・・・あれやこれやと悩んだ挙句、結局、茶の歴史に行き着きました。
”千二百年、最澄の朝宮茶しかない!”
それが胃の腑に落ちた瞬間、そのまま産地にひとっ飛び!
朝宮茶と言えば嵯峨天皇。日本初の皇室献上茶がこの朝宮茶。やはりこれ。”気品ある香りと味わい”という言葉がピッタリな雅なお味だと思います。
その全てに歴史を感じる・・・
最澄からの、長い長い茶産地として歴史、現地に行けば自然と感じる世界観。どっしりとしたボディー、信楽町の深い山の香りが押し寄せてくる。
眼を閉じて静かに味わえば、ザワザワした木々の強い葉音も聞こえてきそうな・・・そんなお茶。深く深く、何煎でも。煎を重ねる毎に、四季の変化の様に、驚くほど味わいが変わります。
「朝宮茶」、このストレートなテイストを味わった事がある方はどれぐらいおられるのでしょう?この名前で販売されることは少なく、そのほとんどがブレンドされ、京都の有名な茶匠さんの銘柄になっています。
日本茶BANKでは、そんな朝宮茶の個性溢れる生産者二人のお茶をご紹介。産地の、生産者の、そのままの味わい、となっています。ぜひ、この機会に味わってみてください。
(日本茶BANKショップ“第一弾「朝宮茶」と「信楽焼」のやみつきセット”はこちらから)
黒田園、黒田 為三(くろだ ためぞう)さん。
ベテランの朝宮茶生産者で、その高い技量は、THE朝宮茶を代表するものであり、数々の品評会受賞歴を誇ります。
そんな黒田さんは、やぶきた専門。お茶好きが好む味わい。
今回、“やみつきセット”用のお茶として、四年生の畑を選んでくださいました。奥にチラっと朝宮らしいワイルドな味が。 独特の香気は強すぎない。良いとこどりの朝宮茶です。
凄腕生産者の黒田さん、なんと趣味は魚釣り! 笑
朝宮は高速道路の便が良いので、あっという間に伊勢志摩に到着するそうです。
茶作り全力、釣りも全力! 笑
ヒラマサや、タイなど、高級魚が良く釣れるとのこと。
それと、 息子さんが「黒田園」の看板で、お茶と手打ち蕎麦の店を経営されています。平日も行列の絶えない、地元で人気の古民家そば屋です。
開店時間のずいぶん前から、お店前でお客様が待っています。
福井県から移築した重厚感ある立派な古民家もその人気に一役買っています。
ここでは、黒田さんのお茶が贅沢に入った茶そばがおススメ。極上の手打ちそばが味わえます。
昇龍園、服部 昭彦(はっとり あきひこ)さん。
若手のホープ。いち早く朝宮茶の紹介に力を入れ、時間を見つけては首都圏で朝宮茶を発信されています。品質が高く、安定した茶作りに定評があります。
若手らしく、緻密な設計をデータ化し、ITを駆使して畑を管理されています。
でも、それに逆行するかのように大切に守っているのはなんと「在来」!朝宮の在来とは・・・かなり貴重な・・・
今回、“やみつきセット”用のお茶として、自然木でほぼ半日日陰、天然のかぶせ茶状態のお茶を選んでいただきました。 野生味、ふんわり甘さ、それらが饗宴する面白さ。
在来の紅茶、ヴィンテージの煎茶、面白いお茶が次々と出てくるのが服部マジック。朝宮の土の事についても大変詳しい土オタク。
服部さんから信楽の素敵な作家さん達をご紹介して頂きました。お茶の味わいと茶器には、本当に密接な関係が。
服部さんは、その楽しさと深さを教えて下さいました。
さて。
伝統茶産地であるこの朝宮の、朝宮茶。
その魅力を余すことなく伝えたい!
そんな思いを胸に、お茶が、好きで好きでたまらない陶芸作家さんに茶器を依頼することに。
これほどまでにお茶に詳しい作家さんには、出会った事がありません。生産者以上に朝宮茶の特徴を掴んでらっしゃるかも。多方向からの目線で。
信楽陶璃窯 大西 左朗(おおにし さとき)さん。
≪陶歴≫
1964年 滋賀県信楽町生まれ
1988年 東洋大学社会学部卒
1993年 京都府立陶工高等技術専門校
図案科修了
滋賀県立陶芸の森 創作研修館嘱託
1995年 信楽にて独立
左朗さんのお父さんは、あの”大西忠左”さん。現代陶磁器界を代表する名工です。
朝宮の、どの生産者に伺っても、忠左さんの茶器の木箱が棚の奥に大切に保管されています。
息子の左朗さんは、とにかくお茶に対してとても研究熱心。
いつ伺っても笑顔で迎えてくださる。真に真面目。
僕に茶葉だけでなく、茶器の大切さも教えてくれたのが左朗さんです。
”美味しくお茶を飲む”という行為は、あらゆる方向からの多くの経験や知恵が詰まって完成されるもの。
朝宮茶は、 たっぷりお湯を吸収する急須が合うのか? 耐吸収性の土で焼いた、お湯を吸収しない急須がいいのか? はたまた、その中間ぐらいのものが良いのか?
多くの検証を重ね、大西さんが作り上げられた茶器たち。
大西さんの茶器はとにかく使いやすくて、一つあると重宝します。
急須はフタの密閉が抜群。ピタ!と収まる。湯のみは、口があたる部分の水切れが良い。
そしてそして、姿が美しい。
大西さんの茶器で頂くお茶は、本当に美味しい。
そんな大西さんに、今回“やみつきセット”用の茶器として、に作っていただくのは宝瓶(ほうひん)。宝瓶とは、 取っ手の付いていない急須で、日本茶の味や香りを引き出すのに最適な茶器のことです。
そして、ゆっくり流れる時間を愉しむための茶道具。
それが「宝瓶」”ほうびん”。
朝宮の茶葉の自然の恵みを余すことなく引き出してくれます。
一般的に、玉露などの高級茶は煎がきくことで知られていますが、煎茶は一煎目を注ぎ終わったら茶葉を変えることが多いと思います。しかし、ここ朝宮のお茶は違います。煎がきく、そして、煎を重ねるごとに、違った良さが現れるので、何杯も愉しむことができます。
●一煎目は、製茶の工程の最終段階の味わい。全体的にまとまり収まった感じ。
●二煎目は、プン!と一煎目には見えなかった香りが顔を出す。
●三煎目は、おや?生葉の風味まで。
●四煎目は、揉まれた渋みも見えてくる。
●五煎目は、葉の味。土の味。
何度も何度も飲みたくなる。
そして、その量も絶妙。大西さんの宝瓶に入るお湯の量はたったの30㎖程度。蓋が収まる線まで(クッキリと線が付いているので、どなたでもわかります)。 二つの湯のみには15㎖ずつ。
その量がたまらなく美味しい。飲み干すと、あぁ感動!
次はまた違う味になってる!また感動!
そして次、また次・・・
正にやみつき状態。これが、商品名“「朝宮茶」と「信楽焼」のやみつきセット”の由来です 笑
朝宮茶を熟知する大西さんのつくる茶器に入るこの量!本当に絶妙!素晴らしい!
朝宮茶を全方向から何煎も楽しめる。この宝瓶、小さくしたのは理由がある。
このサイズだと、驚きの味わいを何煎も楽しめるから。大きな急須だとこんなに何煎も飲めない。
15㎖というこの少量が大変嬉しく、そして楽しい!
茶葉の量はたったの2.5gで十分。その量がピッタリ。
これぞ品質が良い朝宮茶の醍醐味。 朝宮茶を隅々まで味わいたいなら、この飲み方になります。
こんなに少量で、この満足感。これって結局かなりお得。リーフ良し、器も良し。朝宮茶とこの宝瓶でなければ出会えない味わいです。
たまらなく愛着が湧くこの宝瓶は、手のひらにすっぽりと収まるサイズ。 お湯が入っても重くない。そして、これだと、湯の中で茶葉が踊らないので苦みが出にくい。茶葉が綺麗に広がります。
全てが美味しくなる様に計算されています。
湯飲みは、15㎖を味わって飲むにはピッタリのサイズ。 広く貫入が入り、口に当たる面が薄くて優しい。お湯が入った時にちょうど良い厚み、品が良い高台が付いた持ちやすさ。
幻の産地の達人のお茶を地元の作家さんが焼いた茶器で頂ける。とても素敵で贅沢な時間。
素敵な茶道具3点に、二人のお茶の達人の茶葉がセットになっています。
≪“「朝宮茶」と「信楽焼」のやみつきセット” 内容とサイズ≫
●宝 瓶:幅9㎝・高さ3㎝ ×1個
●湯飲み:幅8㎝・高さ4㎝ ×2個
●煎 茶:2種類(各50g)
≪価格≫ ¥35,000(税込)送料込み
日本茶BANK Shop、記念すべき第一弾は、朝宮茶生産者、黒田さんと服部さん、そして信楽焼の作家、大西さん。滋賀県甲賀市信楽町の三者の達人セットです。
茶葉は二人合わせて100g。1回の茶葉の量は2.5gだから約40回分。1回、たったの875円でこの贅沢な時間を味わえます。
どうぞ、沢山の方に、お茶の時間の幸せが共有できます様に・・・
日小田 知彦