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2023.01.18 Update

【お茶の豆知識】 節分には無病息災を願って「福茶」を飲もう

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「節分」とは?

師走!年末!お正月!とバタバタしているうちに、あっと言う間に1月も半ばを過ぎ、スーパーや百貨店では、「節分」に関する商品が並ぶようになりましたね。

「節分て何だっけ?」というわけで、すこしおさらいしておきます。

「節分」とは、その文字の通り、「季節の分かれ目」という意味。元々は「立春」「立夏」「立秋」「立冬」それぞれの前日を指していました。

古くは、春・夏・秋・冬の季節の変わり目に年4回、古い季節の邪気を払い、新しい季節に福を迎えるため、「節分」として様々な行事が行われてきましたが、立春の前日の節分だけが残り、江戸時代の後期には他の3回の節分はすたれていきました。

なぜ「立春の前日の節分」だけが残ったのか。それは、立春が春の始まり、旧暦の1年の始まりにあたる日であり、その前日である節分は、現在でいう「大晦日」と同じように考えられていたためと考えられています。

「節分」の行事の元祖は、中国の「儺(ぬお)」

立春の節分に行われる行事は、中国で行われていた「邪神や疫病を追い払い福を招く祭り」である「儺(ぬお)」が元になったといわれています。宮廷で行われるものは「大儺(たいな)」と呼ばれ、

「周礼(しゅらい)※」によると、

※周礼(しゅらい)・・・儒教の経典。「儀礼(ぎらい)」「礼記(らいき)」とあわせて三礼(さんらい)とよぶ。

祈祷師が、熊の皮をかぶって4つの面をつけ、黒い上着と赤い袴を着て、矛や盾などの武器を持った、「方相氏(ほうそうし)」に扮して、宮廷の中から疫鬼を追い出すしきたりを行ったといいます。

方相氏(ほうそうし)のイメージイラスト

平安時代の年中行事「追儺(ついな)」

日本には、陰陽道の行事として取り入れられ、文武天皇の慶雲3年(706年)に疫病が流行し、多くの人が亡くなった際、宮中で初めて行われたといわれています。

「追儺(ついな)」と呼ばれたこのしきたりは、俗に「鬼やらい」とも呼ばれ、平安時代には年中行事として大晦日に行われるようになりました。

中国同様、「方相氏」と呼ばれる厄払い役とその手下がいて、役人たちがそれに扮し、掛け声をかけながら宮廷内を回ったといいます。このとき宮廷内の貴族たちは弓を放ったり、振り太鼓(ふりつづみ)を振って、鬼を追い払う「方相氏」を応援しました。

また、「方相氏」は、4つの面と赤い長衣を身に着け、手には矛と盾を持っていたということなので、中国の儀式をそのまま取り入れていたようです。

面白いことに、当時は鬼を追い払う役目であったはずの「方相氏」が、時とともに、鬼として追い払われる側となり、これが現在の「豆をまいて鬼を追い払う」節分のならわしの起源といわれています。

吉田神社 追儺『都年中行事画帖』より

なぜ、「豆」で鬼を追い払うのか?

では、なぜ節分に「豆」が用いられるようになったのか・・・?

・中国の医薬書に大豆は鬼毒に効果があると書かれていたこと、また、中国の「大儺」でも五穀(麻・黍(きび)・稷(きび)・麦・豆)を用いて厄除けを行っていたことから。

・「魔滅(まめつ)」。つまり、魔物を滅するという意味から。

・「魔目(まめ)」。つまり、鬼の目を打つという意味から。

など、諸説あるようですが、何にせよ、米と同じ重要なエネルギー源であり、霊力を持つとされる豆をまくことで、鬼(病や災い)を祓うことができるとされてきました。

節分には「福茶」を飲もう

「豆まき」とともに、「年取り豆」を食べるというのも、節分の習わしの1つですね。

豆まき後、自分の年に1つ加えた数の豆(数え年分の豆)を食べると、身体が丈夫になり、病気をせずに一年を過ごせると言われている、あれです。

が、年々豆の数が多くなる・・・そんなに食べられない・・・という方にもおススメなのが、

「福茶」です。

年末のコラムで、お正月に飲む「大福茶(おおぶくちゃ)」について紹介させていただきましたが、節分の「福茶」も、お正月の「大福茶」と同じ意味を持つものです。

詳細な説明は、「大福茶」のコラムに記載したので割愛しますが、平安時代中期に村上天皇(946~967年)が元日に六波羅蜜寺のお茶を飲まれるようになったことが「大福茶」のはじまり。

前の項で、立春は「季節を分ける日」、その前日が「節分」と記載しましたが、「その季節の始まりに飲む」お茶として、大福茶と同様に、邪気を祓い福を呼ぶお茶とされているのが、この「福茶」。

「福茶」の淹れ方

一般的には、節分用の福豆と、昆布、梅干しを入れることが多いようですが、大福茶と同じく、厳密なルールはないので、皆さんそれぞれの「福茶」を淹れて、1年間の健康を祈願してください。

ご参考までに、下記に材料とつくり方を記載します。

≪材料≫
①福豆・・・3粒
②昆布(塩昆布やオツマミ昆布でOK)・・・1つまみ程度
③梅干し・・・1粒(種をとっておくと飲みやすいです)
④日本茶・・・茶さじ1杯程度
⑤熱湯・・・180cc程度

≪淹れ方≫
1、①②③を茶碗に入れる
2、④と⑤を急須に入れ、お茶を淹れる
3、上記1の茶碗に、2のお茶を注ぐ

とても簡単です。

ちなみに、少し面倒ですが、福豆は炒ると香ばしくてさらに美味しくなります。また、3粒なのは、「3」は奇数で割り切れないことから「縁が切れない」という意味があり、「満つ」とも読めることから縁起のよい数字とされているからだそう。

前述の通り、ルールはないので、福豆・昆布・梅は茶碗ではなく、茶葉と一緒に急須に入れてもよいですし、昆布と梅干しは入れず福豆のみを使用してもOKです。日本茶も、煎茶はもちろん、ほうじ茶や玄米茶など、なんでも構いません。

季節の変わり目で体調を崩しやすい時期こそ、健康維持に効果がある飲み物とされるお茶を!そこに福豆の縁起をプラスして、この冬を、またこの1年を健康に過ごしましょう!

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