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2022.12.02 Update

静岡県島田市“ふじのくに茶の都ミュージアム”で企画展『携帯茶器等の変遷』開催中(令和5年2月13日まで)

携帯茶器の歴史は古い

旅先やアウトドアや出張先で手軽に美味しい日本茶が飲めたらいいな・・・と思ったことはありませんか?

「出先でも美味しい日本茶が飲みたい!」そう思っているのは、現代人だけではありません。
外でもお茶を飲むことのできるように工夫された、持ち運びが楽な『携帯茶器』というものが古くから存在するのです。

例えば江戸時代には、狩りや、花見やもみじ狩りの際、野点(※1)用の茶道具を入れた「茶弁当」を持って、それぞれの行楽に出かけたそうです。
 ※1 野点:のだて。屋外で茶または抹茶をいれて楽しむこと

参勤交代や婚礼などの大名行列にも、行列道具のひとつとして家紋を付けた「茶弁当」が持ち運ばれ、使用されていました(行列道具の茶弁当には吊り金具が付いており、そこに棒を通して担ぎます)。

佐賀藩主鍋島家の家紋が付いた黒漆塗りの茶弁当

携帯茶器の変遷

明治時代、駅弁の販売と同時に「汽車土瓶」が生まれました。汽車土瓶とはお茶を入れる焼き物のことで、1950年代頃まで信楽や益子をはじめとした、全国の陶器産地でつくられ、駅や汽車内で販売されていました。

美濃焼の汽車土瓶

その後、プラスチック容器の登場に伴い、ポリエチレン製の茶瓶に変わり、ご存知の紙パックや缶、現代のペットボトルへと主流が移り変わっていきます。

また、その昔「茶弁当」として携行されていた茶道具一式も進化し、現代では、より丈夫でコンパクトさらに機能的でスタイリッシュ!なものが開発され、販売されるようになりました。

アウトドア用に開発された携帯用茶器(抹茶用)
重ねてコンパクトに収納できるタイプの携帯用茶器

“ふじのくに茶の都ミュージアム”の企画展「携帯茶器等の変遷」

静岡県島田市の“ふじのくに茶の都ミュージアム”では、そんな『携帯茶器』にスポットを当てた企画展、『携帯茶器等の変遷~旅や野外で楽しむお茶~』が開催中です。令和5年2月13日(月)までなので、終了迄にはまだ余裕がありますが、お子様の冬休みなどを利用して、来館されてみてはいかがでしょうか?(年末年始の、12月27日から1月3日は休館)

抹茶や煎茶、ウーロン茶など、お茶の種類に合わせた、最新の携帯茶器を紹介するコーナーもあるので、旅行やアウトドアのお供に携帯用茶器の購入を考えている方にもおススメです。

ちなみに、“ふじのくに茶の都ミュージアム”の常設展もおススメ。お茶の起源と世界へのお茶の広がり、日本及び静岡のお茶について、わかりやすく展示されています。

世界各国から集めためずらしいお茶たち。茶葉に触れ、香りを嗅ぐこともできる

企画展の概要

◆企画展開催日:令和4年11月5日(土)~令和5年2月13日(月)
◆開館時間:9:00~17:00(入場は16:30迄)
◆休館日:火曜日(祝日の場合は開館、翌平日休館)、12月27日から1月3日は休館
◆場所:ふじのくに茶の都ミュージアム 2階企画展示室
◆住所:静岡県島田市金谷富士見町3053番地の2
◆観覧料:≪常設展・企画展共通≫大人300円、学生は無料

“ふじのくに茶の都ミュージアム”とは?(ミュージアムHPより抜粋)

静岡県では、平成26年3月に策定した『ふじのくに「茶の都しずおか構想」』において、本県のお茶に関する資源を生かして、静岡茶のブランド確立を図り、お茶のある健康で豊かな暮らしを実現するため、「茶の都しずおか」づくりを進めていくことを定めました。

この構想を踏まえ、日本一の大茶園である牧之原台地に位置し、博物館、茶室、庭園、商業館から成る「旧島田市お茶の郷」を「茶の都しずおか」の拠点として整備しました。

平成30年春に「ふじのくに茶の都ミュージアム」として開館し、外観に県産材を使用した吹き寄せ壁を設けるほか、博物館内には楽しく回遊できるよう様々な見どころがあります。

「ふじのくに茶の都ミュージアム」は、お茶の産業・歴史・文化を紹介する展示のほか、茶摘み・手もみ体験や、五感で感じる講座を充実させ、子どもから大人まで楽しくお茶について学べる機会を提供します。さらに、国内外の茶業関係者やお茶愛好者を対象に研修会等を開催し、情報集積・発信を行っています。