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Tea Information From 日本茶BANK

2023.11.01 Update

@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後④

前回の@栄西さんの茶に関するコラムで、クラウドファンディングに挑戦し、目標金額を達成した!というところまでお伝えしました。

今回は、栄西茶クラウドファンディング応援購入のリターンとして行った、「栄西茶畑ガイド付き探索」のご報告です。

“背振山”のおさらい

栄西さんの茶畑は、背振山(せぶりやま、せふりさん)の中腹にあります。
今回の「栄西茶畑ガイド付き探索」では、背振山の麓から茶畑までのルートと、茶畑&茶畑周辺を探索しました。

まずは、背振山について、少しおさらいしておきます。

福岡県福岡市と佐賀県神埼市の間に位置する山で、標高は、1,054.6m。日本百名山の一つ。

本格的な登山が楽しめる上級者向けルートの他、往復3時間程度の日帰り登山ができる初級者向けルート、山頂まで車でアクセスできるルートまで、様々なコースがあるので、登山者にも観光客にも人気のスポットです。

コースについては、こちらのサイトに詳しく書かれています👇
九州自然歩道 佐賀みち(佐賀県 県民環境部 有明海再生・自然環境課)

山頂からは、福岡市街から玄界灘までを一望できる 出典:PIXTA

いざ、背振山!いざ、栄西さんの茶畑!へ

吉野ヶ里町にある道の駅から栄西茶畑を臨む、参加者の方たち。
栄西さんの茶畑は、あの山の中腹にあります。

ちなみに、この道の駅の名称は「さざんか千坊館(せんぼうかん)」といいます。
周辺は、国の天然記念物に指定されている、千石山サザンカ自生北限地であること、
背振山には1000を越える修行僧の御坊(おぼう※)があったことが、
この名称の由来だそうです。

※御坊(おぼう)・・・僧のいる建物を敬っていう語

多良さんの案内のもと、背振山を進む

下の写真は、案内人の多良 正裕(たら まさひろ)さん。
この探索の主催者であり、栄西茶を守り隊隊長。

多良さんは、栄西茶の栽培を行いながら、日本茶栽培発祥の地保存活動をしておられます。
また、日本茶アドバイザーであり、お茶の歴史研究家でもある。

つまり、お茶の歴史のこと、生産のこと、この地のこと、現在のお茶のこと、何を聞いても、興味深い答えが返ってくる!

そんな多良さんの案内のもと、説明や会話を楽しみながら、山道を進んでいきます。

途中には、綺麗な川がいくつも流れていました。

霊仙寺と、“茶樹栽培発祥の地”の碑

下の画像は山中にある、霊仙寺(りょうせんじ)

山が険しく、絶景に恵まれたこの地は、平安時代から室町時代にかけて約1000年もの間、山岳仏教の聖地でした。多くの高名な僧が修行した場所としても有名なお寺でしたが、現在では江戸時代に建立された乙護法堂(おとごほうどう)を残すのみとなっています。

霊仙寺 乙護法堂

その乙護法堂の境内にある「茶樹栽培発祥の地」の記念碑。

1191年、栄西禅師が宋から持ち帰った茶の種を、霊仙寺の西の谷の石上坊(いわかみぼう)の庭にまき、茶の製法を伝えたことから「日本茶樹栽培発祥の地」と言われています。

霊仙寺の境内にある、“茶樹栽培発祥の地”の碑

石上坊跡と栄西さんの茶畑

下の画像が、石上坊(いわかみぼう)跡。
その下が、栄西さんの茶畑です。

石上坊跡
栄西さんの茶畑

ここは、言うまでもなく山の中。
少し放っておけば、あっという間に、草や蔓や木の葉に覆われてしまいます。
地域の高齢化も進む中、お寺や茶畑を維持するだけでも大変。

多良さんや地域の方々の、栄西茶に対する愛と誇りにより、現在でもキレイに管理されていることに感銘を受けます。

探索後、栄西茶をいただく

山を下りた後は、交流会を兼ねた、一服の時間。
釜炒り茶と玉緑茶、2種の栄西茶を飲み比べました。
お茶のおともに、栄西茶ケーキが付いているのも嬉しい。

その昔、中国から日本に伝わったお茶は「釜炒り製法」でつくられたものでした。
(現在の日本で主流となっている「蒸し製緑茶」が創始されたのは1738年)。
栄西さんが伝えたお茶の製法も、「釜炒り製法」。

大量生産に向いている「蒸し製緑茶」に対し、1回で少量しか製茶することのできない「釜炒り茶」は、とても希少。

(「釜炒り茶」について、以前のコラムで紹介していますので、こちらもご覧ください👇👇👇
【お茶の基礎知識】国内緑茶生産量の1%以下の希少なお茶!「釜炒り茶」とは?

栄西茶を贅沢に使ったケーキ

栄西茶を守りたい!!

脊振山の中腹にひっそりと佇む、茶樹栽培発祥の地の茶畑。
過疎化や高齢化により、この茶畑を守ることが年々難しくなっていく・・・
今なにもしなければ、日本最初の茶畑がなくなってしまう・・・

「栄西茶を絶やすことは、日本の文化・歴史の起源を絶やすことになってしまうのではないか」

との想いから結成された、プロジェクトチーム「起源香(キゲンコウ)」。
その活動の一環としてクラウドファンディングを行い、目標額を上回る応援をいただきました。

しかし、起源香プロジェクトのミッションは、「栄西茶事業を持続させる」こと。
時間もお金も人手もかかる・・・しかも継続して・・・
このミッションを遂行するのは、簡単なことではありません。

多良さんはじめ、起源香のメンバーは、日々、「栄西茶存続のためにできることは何か?」考え続けています。挑戦を続ける起源香プロジェクトのこと、またこちらのコラムで紹介させていただきたいと思います。

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