9月のコラムで少し紹介させていただいていた、宮﨑県高千穂地区の「高千穂開運茶」の販売がついに開始されました!
当サイトで何度も登場している宮崎県の高千穂地区(ここではJA高千穂地区さんの担当地区、宮崎県西臼杵郡の3町、高千穂町、五ヶ瀬町、日之影町を指します)。日本随一の「釜炒り茶」の産地です。
「釜炒り茶」は、蒸し製の緑茶が主流となった現在では、日本の緑茶生産量の1%以下しか生産されていない、じつに希少なお茶です。そのうち6割が宮崎県で生産されており、その6割の大部分が高千穂地区で生産されているのです(釜炒り茶については11月のコラムで紹介していますのでこちらと併せてご覧ください)。
高千穂地区といえば、日本神話の里として知られ、神話にゆかりのある数多くの神社や、高千穂峡、約800年の歴史があるといわれている夜神楽(よかぐら)、2005年の台風の影響で廃線となった旧高千穂鉄道の線路をスーパーカートで走る「あまてらす鉄道」などなど、数多くの名所があり、年間140万人もの人が訪れる(コロナ禍以前の数字)、九州屈指の観光地。
ちなみに、『太陽の神である天照大神(あまてらすおおみかみ)が引きこもったことで、世の中が暗闇に包まれ、次々と厄災が降りかかったため、八百万(やおろず)の神々が力を知恵を絞って、岩戸から誘い出した』という、日本神話史上で最も有名な「天岩戸(あまのいわと)神話」の舞台もこの高千穂地区です。
また、神話の「天孫降臨」では・・・
『天照大神が、孫の瓊瓊杵命(ににぎのみこと)に、天から下界へ降り、下界を天界のような素晴らしい国にするよう命じた。瓊瓊杵命が天から降りて来ることを聞きつけ迎えにきた、猿田彦神(さるたひこのかみ)を先導に、一行は高千穂の地に降り立った』
という旨の記述があります。高千穂が「天孫降臨の地」と呼ばれるのはこのためです。
神話にまつわる伝統行事や史跡同様、この地に住む人たちが大切に守ってきた「釜炒り茶」。
全国の茶産地と同じく、生産者の高齢化や、お茶価格の下落に伴い、生産者数は年々減少しています。地区のJAや、個々の生産者、町や県といった自治体、観光協会等、様々な方々がこの状況を打開すべく、様々な取り組みを行っていますが、現状は厳しい・・・。
JA高千穂地区さんを中心とした生産者の方々、自治体の方々、各業種の専門家の方々と共に、当サイトの運営会社であるエコバイ株式会社も検討を重ねてきました。
そしてふと気が付いたこと・・・。
『国内外から年間140万もの人が訪れるにも関わらず、ほとんどの人は、この地でお茶がつくられていること(しかも希少な釜炒り茶!)を知らないまま、帰ってしまうのではないか?』
というのも、高千穂地区の茶畑は山間部にあるため、観光客が多く訪れる高千穂町中心部や、主要道路からは、ほとんど見ることができません。寒暖の差が激しい山間部で栽培されるお茶だからこそ味や香りに深みが出るし、排水や排出ガスなどの公害や、他所からの飛散農薬の影響も受けにくいのですが、それゆえ、観光コースからは目にすることができないのです。
例えば、高千穂町向山の黒仁田地区にある茶園は「天空茶園」とも呼ばれ、神の住む天空を空想させるような壮大な景色が広がっています。
まさに、天孫降臨の神話の一節にある、「いくえにも重なった雲を押し分け押し分け、日向の高千穂の地に天降られた」が連想されるほど、美しい景観。
もちろん、道の駅などの観光客が多く訪れる場所でもお茶は販売されています。
しかし・・・
「高千穂の人たちは、神話にまつわる伝統行事や史跡と共に、釜炒り茶をつくり継ぎ、飲み継いできた、というストーリーが伝わっていないのではないか?」
「パワースポットが点在する高千穂の神聖な雰囲気と、他の茶産地では類を見ないほどの茶種をつくるこの地域ならではの特色を出したお茶商品を開発すれば、高千穂の人たちが代々誇りとしてきた、長い歴史を持つこの地と、この地のお茶を全国の方々に知っていただけるのではないか?」
そんな想いから生まれたのが、この「高千穂開運茶」です。
やみくもに「開運」を謳っているのではありません。
高千穂神社にて御祈祷を済ませたものを、「高千穂開運茶」として販売しています。
「高千穂開運茶」の御祈祷をお願いしている、高千穂神社のことを少しご紹介しておきます。
約1900年前、第十一代天皇である垂仁天皇(すいにんてんのう)の時代に創建され、六国史(りっこくし)にも掲載されている、由緒ある神社です。
※六国史(りっこくし)とは・・・
6種の国史の総称。奈良・平安時代に編纂された「日本書紀」『続日本紀」「日本後紀」「続日本後紀」「日本文徳天皇実録」「日本三代実録」を指す
天孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめ)をはじめ、日向三代の神々がお祀りされています。
この地は、古来より高千穂郷(宮崎県の北部に位置する地域。現在の西臼杵郡の高千穂町・五ヶ瀬町・日之影町、東臼杵郡の諸塚村)と呼ばれ、その昔は500以上の神社があったといわれています(なんと、民家5軒に一つの神社という割合!)。
その中でも格の高い88の神社が「高千穂十八郷八十八社」とされており、天慶年間(938~947年)より、その八十八社の総社として信仰を集めてきたのが、この高千穂神社です。
ちなみに、明治維新により、八十八社の多くが廃社となりましたが、今も全国各地と比べて多くの神社が残存していることからも、この地の人々の信仰心の強さと、神々と共存してきた歴史をうかがい知ることができます。
秋の収穫が終わると、高千穂の村では氏神様のお祭りが始まります。高千穂の村まつりは秋の収穫への感謝と翌年の五穀豊穣を祈願して、氏神様を神楽宿と呼ばれる民家や、公民館などにお招きして、夜を徹して33番の神楽を奉納します。
昭和53年に「高千穂の夜神楽」として国の重要無形民俗文化財の指定を受けており、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内20の集落で奉納されます。「高千穂の夜神楽」は神楽を愛し神々への信仰を失わなかった高千穂の里人によって守られてきた伝統芸能です。
ルーツは、天照大御神が天岩戸に籠もったさい、その前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が舞を舞ったことが起源だと伝えられています。平安末期から鎌倉時代かけて成立したと言われている高千穂の夜神楽は、約800年ほど歴史のあるものです。
上記は、「夜神楽(よかぐら)」について、一般社団法人 高千穂町観光協会のサイトに説明されていた記事を抜粋したものです。
前述の通り、毎年、11月中旬から翌年2月上旬の週末に開催されることが多く、誰でも拝観することができますが、冬の夜に民家や公民館にお邪魔するのは、地域外の人には敷居が高い・・・
というわけで、夜神楽の季節以外にも、また、地域外の方でも気軽に夜神楽を拝観できるよう、高千穂神社境内の神楽殿で毎晩20時より1時間、三十三番の神楽の中から代表的な4番が公開されています。町内各地の神楽保存会が持ち回りで行っているそう。すごい・・・。なかなかできることではありませんね・・・。
高千穂神社境内の神楽殿での夜神楽は、こちらのサイトからも予約できるそうなので、高千穂においでの際は、拝観されてみてはいかがでしょうか。
さて、だいぶ話が逸れてしまいましたが・・・それだけ、ストーリーが豊富で魅力的な土地、「高千穂」なのです。
本題に戻りまして、「高千穂開運茶」は下記のサイトから購入が可能です。
JAタウン>JA高千穂>釜炒り茶 https://www.ja-town.com/shop/g/g8504-19/
下記の8種のお茶の中から、ランダムに選ばれた5袋が入っています。1袋にはティーバック2つ入り。「8種の中からこの5種」という指定はできませんので、どれが入っているかはお楽しみ!
内容量等、詳しくは、上記JAタウンのURLをご参照ください。
鮮やかでシンプルな赤箱、お守り袋のようなカラフルな中身。贈り物にしても喜んでいただけるのではないかと思います。軽くてかさばらないため、引き出物にも向いています。
今後、高千穂地区の各観光名所での販売も予定されているそうなので、高千穂においでの際は、是非、探してみてください。