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日本茶BANKが紹介するお茶の事

2024.03.14 Update

@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後⑥

#お茶会 #佐賀県 #修学院 #栄西 #脊振山

@栄西さんの茶 おさらい

こちらのコラムでは今までに6回、「@栄西さんの茶」という題名で、佐賀県神埼郡吉野ヶ里町の「栄西茶」を紹介させていただきました。

はじまりのお茶@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) 多良茶園 多良正裕さん
@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後①
@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後②
【日本茶BANKショップ連動】@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後③
@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後④
@栄西さんの茶(佐賀県吉野ヶ里町) その後⑤

今回のコラムでは、「栄西茶」の仕掛け人である多良正裕(たらまさひろ)さんが“栄西茶復活”に向けて歩んできた道のりをおさらいするとともに、2024年6月2日(日)に修学院で開催されるお茶会のご案内をしたいと思います。

「茶樹栽培発祥の地」の記念碑

「栄西茶」の仕掛け人、多良正裕さん

多良正裕(たらまさひろ)さんは、旧東脊振村(現在の吉野ヶ里町)のご出身。

転機となったのは、1991年。
多良さんが旧東脊振村の役場職員として“町おこし”にも携わっていたときに、
「栄西さんがお茶を伝えてまもなく800年」という節目を迎えることになりました。

「町としてもこの記念すべき年を盛り上げよう」ということになり、
まずは、栄西禅師(明菴栄西)や、栄西とお茶の関わりについて調べ知ることからはじめることに・・・

多良さんは、名古屋大学や九州大学の調査を紐解き、佐賀県の郷土史研究の第一人者である故 福岡 博先生に教えを仰ぎ、栄西さんについて、この地のお茶文化について、調査を開始します。

調査の中で、この地とお茶がいかに深く関わってきたかを知るうち、「”茶樹栽培発祥の地の茶畑”を絶対に失くしてはいけない」という想いが強くなっていきました。

しかし既に、この地に残る茶畑はごくわずか・・・「地域の産業」というにはほど遠く、それどころか、現存する茶畑の存続すら危ぶまれる状況となっていました。

『このままでは、近い将来、”茶樹栽培発祥の地の茶畑”がなくなってしまう!自分がなんとかしなければ!』

そう思った多良さんは、なんと!!自ら茶畑を開墾して、茶栽培をはじめることに。

茶畑に立つ多良正裕さん

多良さんの挑戦~茶畑の開墾~

多良さんの熱い想いに、多良さんのお父さん(多良光男さん)も奮起。
お父さんと一緒に、山手にある田んぼに手を入れ、茶畑にすることにしました。

ひと口に「田んぼを畑に」と言っていますが、この作業はとても大変・・・。

ご存知の通り、田んぼは水をためてお米を作ります。稲にとって水は欠かせないもの。
そのため、田んぼには、水を逃がさないために、地中(地上から15~30cm下位)にギュっと固めた粘土の層が敷き詰められています。

一方、お茶栽培には「水はけがよい土壌」が必須とされています。
お茶の苗木は、土に余分な水分があると育ちが悪くなってしまいます。
また、ふかふかで柔らかい土壌の深さが最低でも60cm(理想的には1m以上)ないと、茶樹がのびのびと根を伸ばすことができません。

つまり「田んぼを畑に」するには、土を深く掘り粘土層に穴を開けて排水を促したり、土を入れ替えたりして水はけを良くする必要があるのです。

こつこつと茶栽培のできる畑に改良していった多良さん親子。
1993年にお茶の苗木を植える事ができました。

≪参考≫田んぼから畑に転用した畑。水はけが悪い様子(株式会社マイナビ マイナビ農業より)

「栄西茶」ブランドの統一

多良さんは茶畑の開墾と並行して、役場職員として「脊振千坊聖茶まつり」を企画し、地域内外にこの地のお茶を発信しました。

以来、「脊振千坊聖茶まつり」は町村合併後も吉野ヶ里町に引き継がれ、現在も開催されています(2006年3月に旧三田川町と旧東脊振村の2町村が合併し、現吉野ヶ里町が誕生)。

過去の「脊振千坊聖茶まつり」(吉野ヶ里町広報誌2018年7月号より)

また、ばらばらの名前だったり特に名前がないまま、栽培&販売されていたこの地のお茶の名前も「栄西茶」に統一しました。

これまでのコラムでもご紹介してきた通り、多良さんや多良さんの活動に賛同する方々が、
栄西茶をまた栄西茶の歴史を・・・
日本茶発祥の地に今も大切に引き継がれている栄西さんの茶畑を・・・
発信し守り続けておられます。

2024年6月2日(日)栄西禅師顕彰茶会のご案内

そんな「栄西茶」を残す取り組みの一環として、来る6月2日(日)にお茶会が開催されることになりました。

下記に概要を記載します。

◆茶会名:栄西禅師顕彰茶会(ようさいぜんじけんしょうちゃかい)

◆日時:2024年(令和6年)6月2日(日)
     11時~ 15時 ( 来社順にお席をご用意致します)

◆献茶式:13時~ 13 時30分

◆場所:背振山積翠教寺 「修学院」
    佐賀県神埼郡吉野ヶ里町松隈1400
    https://www.sefurizan.com/

◆会費:4,000 円 (お茶席代3,000 円+サポート代1,000円)     
    ※当日会場では、おにぎりなどお弁当販売のご用意がございます

◆交通:
①電車の場合
JR吉野ヶ里歴史公園駅下車。駅よりタクシー利用(10分)
②お車の場合(高速利用)
高速道路東脊振ICを下車、信号を左折、国道385号を北上(東脊振ICより5分)
福岡市方面から「東脊振トンネル」利用。料金所を通過して直進(料金所より5分)

◆申込:
当サイトでも「栄西禅師顕彰茶会」の参加申込みや問合せを受け付けています。
下記「お問い合わせページ」からご連絡ください👇
https://teabank.jp/contact/

また、多良さんが作成された「栄西禅師顕彰茶会のご案内」を、「新着情報」2024年6月2日(日)栄西禅師顕彰茶会のご案内に掲載させていただいておりますので、併せてご覧ください!

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