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全国各地でつくられているお茶を紹介します
徳島
阿波晩茶(あわばんちゃ)

 徳島県那賀郡那賀町(旧・相生町域)と勝浦郡上勝町でつくられる、全国でも珍しい乳酸菌発酵茶。
 通常、緑茶の二番茶や三番茶を指す「番茶」に対し、「年に一度、葉が分厚くなった晩夏に摘み取られること、桶に漬け込み発酵熟成させること」より、「晩」の字が使われている。

 阿波晩茶の歴史としては、下記2つの説がある。
  1、約1200年前、若かりし空海が、慈眼寺・太龍寺・平等寺・薬王寺建立のため巡錫(じゅん
    しゃく)の折、この地方に自生する山茶を発見して製茶製法を教えたのが始まり。
  2、平安時代末期に、主君平清盛の熱病を治すために横尾権守が中国へ渡ったが、妙薬の製法
    を持ち帰った頃には、既に平家は滅亡していた。上勝町に落ち延びた横尾権守は、この地
    に中国から持ち帰った製法を伝えた。

 カフェイン含有量が少ないため、地域の子供からお年寄りまで幅広い年齢層に、長い間親しまれてきた。
 また、近年では、整腸や高血圧・糖尿の予防効果が期待できる健康飲料として、メディアに取り上げられるなど、県内外からも注目されている阿波晩茶であるが、多くの小規模茶産地同様、生産者の高齢化に伴い生産量は減少している。
 茶摘みから発酵そして天日干しまで、約2ケ月という時間を要し、いずれも重労働であることが、後継者不足に拍車をかけている。

 平成30年には、阿波晩茶の伝統を守り、産業と文化を継承・発展させることを目的に、地域の生産農家や販売店で構成される「一般社団法人 上勝阿波晩茶協会」が設立された。
 また、令和3年には、阿波晩茶の製造技術が国の重要無形民俗文化財に指定されるなど、今後の
「阿波晩茶」の文化と技術の継承が期待されている。

※補足
 現在日本に残存する伝統的な後発酵茶(乳酸菌発酵茶):
  バタバタ茶(富山県)、阿波番茶(徳島県)、愛媛の石鎚黒茶(愛媛県)、碁石茶(高知県)

※参照元
 上勝町ふるさと名物応援宣言
 http://www.kamikatsu.jp/docs/2019032500011/file_contents/kamikatsu_furusato.pdf

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